2008年5月28日水曜日

庭木の土 3

 私と懇意な間柄のO建設社長Kさんは造園に関する資格を持ち、植栽についての造詣が深い。彼にこの問題についての意見を訊いてみた。

「庭木を植える際、下の半分くらい瓦礫を入れるのは、土壌の栄養分を少なくして木が大きくなりすぎないようにするためですか、それとも造園コストを下げるためですか。」
「それは後者です。造園業者が儲けるためです。」 まさかと思っていた返事が戻ってきた。
「では、木が大きくならないようにするにはどうすればいいのですか。」
「剪定すればいいのです。」 なるほど、これは尤もだ。

「総合庁舎玄関前のように密植した理由は?」
「一本植えると幾らという工事見積もりになっていますから、なるべく沢山植えたほうが造園業者は儲かるからです」 矢張り、疑っていたとおりだ。

「密植するとどうなりますか」
「木が大きくなって葉が繁ると風通しが悪くなり蒸れて枯れます。また、虫が発生しやすくなって枯れます。」 これはずぶの素人でも容易に理解できる当然な話である。

 私は考え込んでしまった。木が枯れると分かっていても、見えないところだからいいだろうとばかりに、下に瓦礫を入れる。

三、四年後には過密となって間引きしなければならいことが明らかに予測できても、その頃になれば工事責任を問われないから良しとして、造園業者は今の時点で現実に儲けるために密植する。そこには企業モラルの欠片すら見当たらない。

 商売っ気もここまで堕ちれば、何をか言わんやである。

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