2008年5月12日月曜日

自転車泥棒 2

 私の事務所では今年の春ごろにも、同じように自転車を盗まれかかったことがあった。事務所の前に置いてあった自転車に、通りすがりの五十過ぎの男が乗って走り出そうとした。事務員が急いで外へ出て、「それはうちのものですよ」と声をかけたら、「すみません」と言って自転車を置いて逃げるように早足で立ち去ったという。

この程度のことは窃盗未遂として届け出ても罪科に問われないらしいので、そのままで終わってしまった。

 最近、私自身にもこんな経験があった。ある雨の日にプラザおおるりで会合があり、西側の入口にある傘立てに濡れた傘を入れた。会合が終わって帰るときに傘がなくなっていた。その傘は数年前に旧駅通りの馴染みのしにせ老舗で二五〇〇円で買い求めた、男ものの大きなこうもり傘であった。

買う際に、店の主人の手で傘の柄に私の住所氏名を彫り付けてもらい、私はそれを愛用していた。腹が立ったが手の施しようもない。幸い雨が止んでいたので濡れずに帰れたが、降っていたら誰か他人の傘をさして帰ろうかという不届きな気持ちが生じたかもしれない。

 それからまた、一週間ほど経った雨の日に、近くのスーパーへ行き入口の傘立てに傘を入れ、買い物をして帰りに見ると無くなっていた。店長に文句を言ったがどうしようもない。

その傘は、プラザおおるりで無くなった傘の予備として、同じ店で一年ほど前に買ったものだった。その店は主人が亡くなって息子さんが店を継いでいるが、彼はワープロで私の住所氏名、電話番号を記入したラベルをつくり傘の柄に貼ってくれた。

その傘が盗られたのである。しかもおおるりでの盗難の一週間後に。傘の盗難が二件続いたあと、一ヵ月も経たないうちに自転車の盗難に遭ったのだった。経済的な損失はなかったものの、私は気が滅入った。

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