2008年5月21日水曜日

玄米食への挑戦 1

 かねてから私は玄米食に関心があった。精白米はその殆どが糖質(デンプン)で、白米を常食しているとビタミンB1欠乏症に陥り脚気になる恐れがあるが、玄米は沢山のビタミンB1と、ビタミンE、ナイアシン、リン、カリウム、亜鉛、銅、食物繊維などを含んいて、健康に適しているからである。

 とにかく試してみようと思い立ち、平成十一年十二月に、アサヒ軽金属工業製の圧力鍋を買い求めた。この圧力鍋は一・四五気圧、沸点一二八度で、玄米を炊く以外の調理にも使える多目的のものである。ところが、せっかく買ったのに今まで一度も使ったことがない。

 理由の第一は手数がかかることである。一般的な炊飯器と違い、私の買った圧力鍋はガスで炊くために、時間の経過に応じてガスを弱めたり止めたり調節しなければならない。第二の理由は家族の合意が得られないと二種類の炊飯をすることになる。妻との二人暮らしで、玄米と七分搗き米を別々に炊くのは実に煩わしい。

 詰まるところ、この時は圧力鍋まで購入しながら実行に至らなかったのだ。 二回目の玄米食への挑戦は平成十四年七月で、鳥取三洋製の発芽玄米圧力沸騰炊飯器によるものである。この炊飯器には①普通の電気釜のように自動的に炊ける②沸騰しても余分な蒸気だけを排出し「おねば」が外へふきこぼれないようにして内部に溜める、という特徴があった。

 私はこれを購入し、玄米の炊飯を妻の手を煩わせずに自分でやることにした。そして、玄米食をはじめてから、①よく噛んで食べるようになった。玄米は柔らかく炊いても繊維質があるからよく噛まざるを得ない②玄米にはこくがあり白米にない旨みがある③食べ過ぎなくなった。

 よく噛むためか食事の量は減るが、満腹感がある――などを実感した。 滑り出しは快食、快便、快眠でまことに申し分がなかった。ところが、万事順調にゆくだろうと思っていた矢先、八月に入って急に食欲がなくなり熟睡できなくなった。

 体がだるく、体重も二キロ減って四十一キロになり、楽しみにしていた週末の碁会所へ行く気力もなく
なった。体の変調の原因を思い悩んだ末、もしかしたら玄米の所為かと疑い、元の七分搗き米に戻し腹八分を徹底したところ、安眠できるようになって、体力も次第に回復してきた。

 その後、落ち着いてから考えてみると、体調不良の原因は玄米、過食、C型肝炎、夏ばて、加齢などがごっちゃ混ぜになっていたようではあるが、最大の原因は異常な暑さによる夏ばてに違いない、と推測した。

 結局、玄米と七分搗き米とを別々に炊くのはやはり面倒なので、玄米を止めて、当分は七分搗き米だけにすることにした。かくして、第二回目の玄米食挑戦は二カ月足らずで終わった。

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