2008年5月18日日曜日

消火器 1

 十月初め、ある消火器販売会社から消火器の詰め替えを知らせる葉書が届いた。私の町内では毎年九月と十二月に防災訓練を行っているが、二十年ほど前の訓練のとき、粉末消火器を使用して火を消す実演があった。私はその消火能力を納得して、防災委員長の奨めるままに栄広の消火器を買った。

中身の薬品の有効期間が五年なので以来、五年毎に詰め替えに来ていたようだ。葉書を見て、もう五年経ったのか早いものだ、と思った。 一週間ほど経ち、営業マンが来て「詰め替えの時期になったので参りました」と言った。

私が玄関の隅に置いてあった消火器を出すと、彼は「他にもあるでしょう」という。そう言われて、あちこち探したすえ物置の隅に一本あるのを見つけた。更にもう一本あるかもしれないと思って探したが分からなかった。

締まらない話だが、私は置き場所だけでなく、わが家に消火器が何本あるのかも忘れてしまっていたのである。 詰め替え料金は一本七五〇〇円で、ちょっと高すぎるような気がした。

せっかく費用をかけても、置き忘れてしまうようでは所詮無駄なので、これからは一本にして台所に置くことにしようと思った。

営業マンに私の考えを伝えると、彼は、「一本だけなら新品はどうでしょうか。新品は一本一五〇〇〇円ですが、今は特別売り出し期間中なので九、五〇〇円です。詰め替えと二〇〇〇円違いで新品になります。新品は一段と性能がよくなっています」と言う。

「何が良くなったんですか」「高さが低くなり直径が太くなりました。薬品の容量は同じですが、一時に放出する量を多くしたので消火能力が強くなっています。」 それで果たして性能がよくなったと言えるかどうかよく分からない。

また、一五〇〇〇円のものを何故五五〇〇円も値引きできるのかも解らないが、詰め替えて長く放置するとホースの部分が劣化しているかもしれないと思い、新品を一本買うことにした。

そして、「古い二本を持って行って下さい」と言うと、「処分費用が一本一五〇〇円かかります」と言い、「一本は差し替えだから無料でしょう」と言ったら、「駄目です」とのことであった。処分費用がどうも高いと思ったので、自分で処分することにした。

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