2008年6月3日火曜日

庭木の土 5

 八月六日、私は中電の庭木管理者で営業課副長のMさんに会った。来意を告げると、彼は同僚の副長Bさんから話を聞いているとのことであった。私が「それであなたは何をしましたか」と尋ねると、「枯れた木を除いてサツキを植え、除草をしました」と言う。

それは私の予想したとおりの返答であった。ハローワークではこの二か月の間に厚労省とまで交渉して土を入れ替える予算を申請したというのに、中電では何らの改善対策も講じていないのである。むかしはお役所仕事といえば遅いことを指したが、これでは全く以て逆である。

 私はMさんを現場に連れて行って話した。アメリカシロヒトリのためハナミズキが枯れかかっていること、二度目のバラもかなりの部分が枯れたこと、ハローワークの方は黒い植栽土であるのに中電のは小石混じりの表土であること、これらはすべて土を入れ替えなければ解決しないこと等を詳しく説明した。

そして更につづけて、「枯れた木や小石混じりの土を写真にとり、文書にまとめて静岡支店の担当者に
提出して回答を求めてください。できれば静岡支店の担当者を連れてきて、現場を見てもらって下さい。そうすることによって解決の方向へ一歩近づくと共に、問題がおきた時、お前は何をしていたんだ、と責任を問われなくなるでしょう。

中電は今、原発は安全ですと盛んにPRしていますが、『自分の営業所前の植木すら管理できずに枯らすような会社が、世界的に難しいとされている原発の安全管理がどうしてできるだろう』と世間の人は思うでしょう。ですから、ハナミズキを枯らさないようにするのは、あなた自身の責任だと思ってしっかり
やってください。」 

私は自分の孫よりも若いMさんと話しているうちに次第に熱が入り、自分の耳が遠いせいもあって、つい大声になっていた。彼は神妙に聞いてくれていたようだったので、ある程度の対策が進むだろうと思いながらMさんと別れた。

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