営業マンが帰ってから、念のために中溝町にある島田防災設備㈱に電話で問い合わせてみると、薬剤質量三キロの新品は八〇〇〇円、詰め替え五〇〇〇円、処分費八〇〇円であった。営業マンの言う金額が不当に高いと思った私の直感は当たっていた。
栄広プロビジョン 島田防災設備
新品 一本 一五〇〇〇円(特価九五〇〇円) 八〇〇〇円
詰め替え 一本 七五〇〇円 五〇〇〇円
処分費 一本 一五〇〇円 八〇〇円
結局私は、新品で一五〇〇円高いものを買い、その上、処分費で七〇〇円も余計に支払うところであった。 更に念のためインターネットで調べてみると、薬剤質量三キロの同じ消火器(富田工業製)が定価一六八〇〇円、大特価三一五〇円とあった。
このような表示を見ると、一体どれが正常な価格か消費者は戸惑ってしまう。 数日経って処分する二本を取り出してよく見ると、製造年が一九八八年と一九九九年であった。
また、九九年型と新品の〇四年型を比較してみたら、消火力単位、放射距離、耐圧試験圧力値、薬剤質量、総重量は同じであるが、放射時間は九九年が約十四秒、〇四年型は約十五秒であった。薬剤の総量が同じで、放射時間が一秒長くなったのだから、一時に放出する量は少なくなることになる。
これでは性能が良くなったとは到底考えられない。営業マンの説明はあてにならないとつくづく思った。 そして、この消火器の購入をめぐって、
①消火器の本数と置き場所は、自分だけでなく家族全員がいつも覚えていなければならない。出火の際、消火器を探し出すまで火は待っていてくれないのだから、詰め替えに来た営業マンから言われて探すということ自体が間違っている。われながら恥ずかしい限りだ
②物置にあった八八年型の期限切れ消火器は早く処分すべきであった。火災発生のさい使おうとして作動しないと損害が大きくなるから却って無い方がいい。これも分かりきった当然のことなのに、なぜ私は処分しなかったのだろう
③値段が高いと思ったら買わないことである――と反省した。
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